みんふる

子供たち一人ひとりと向き合い
個性が輝く授業作りにこだわる

2019.02.04

上士幌町では「健康で明るく、知性に富み、自主的で郷土を愛するたくましい子」を育てるという学校教育目標のもと、様々な教育関連の施策を充実させています。上士幌町の特徴的な教育施策のひとつでもある「少人数学級」について、上士幌小学校の近藤校長と少人数学級の担任である、板垣先生と松川先生に日頃の学校での取り組みについてお話を伺いました。

 

子供と密なコミュニケーション

上士幌町では、子供達が通学に使っているスクールバスの改修費用や、各種教育関連施策にも、ふるさと納税でいただいたご支援の一部を活用しております。特に上士幌町の特徴的な取り組みとして挙げられるのが『少人数学級』です。そもそも少人数学級とはどのようなものなのでしょうか。

 

「北海道の基準では、1・2年生の場合、1クラスに36人以上になると、2クラスに分けることになっていますが、上士幌町では独自の基準で学級編制ができるので、1・2年生に関しては人数に関係なく2クラスに分けています。」と、近藤校長。

 

少人数学級を導入するメリットとしてはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

 

「児童一人ひとりに、先生の目が行き届きやすくなる点です。子供達にはそれぞれ個性があり、積極的に自分から発言できる子もいれば大人しい子もいます。例えば、困ったことや、悩みがあっても、大人しいタイプの子の場合、そのことに気がつくのに時間がかかる場合もあります。大人しいタイプほど、こまめに声をかけて、子供達の内に秘めている『何か』を引き出してあげることが大切です。『少人数学級』は子供達とのコミュニケーションが活発になることが一番の意義かもしれませんね。」

 

可能な限り子供達一人ひとりと向き合い、しっかりとコミュケーションを取ることを日頃から心がけているようです。

その他、上士幌小学校では、『話す練習』も積極的に実施しています。

 

「聞いたり、書いたりする際も同じだと思いますが、最終的に何を伝えたいのかのゴールを明確にしたうえで、逆算的な発想で今何をすべきなのを自分で考えることが必要です。その力を養うために、先生と子供との対話はもちろんですが、子供達同士の会話でも常にそのことを意識するような指導をしています。子供達同士でもちゃんと道筋を立てながら話ができることが大切だと思っています。」

 

授業中には必ず全員が発言できる場を作る

実際に『少人数学級』の現場では、どのような取り組みをしているのでしょうか。上士幌小学校に赴任して2年目となる、2年生の担任をしている板垣先生と、5年生の担任の松川先生に、日頃授業を進める上で気をつけていることについて聞いてみました。

■板垣先生(左)と松川先生(右)

「必要に応じて、雑談をうまく使って親しみやすい雰囲気を作ったり、手が挙げやすくなる流れを作ったりしています。授業の内容によっては集中力が切れる場合もあるので、そんな時に気持ちを切り替えられるように工夫をしています。」

 

「また、私のクラスは全員で21人なのですが基本的には一回の授業で必ず全員を当てるようにしています。40人のクラスになると全員当てるのは難しいです。これは21人クラスだからできることだと思います。」と松川先生。

 

「私も、児童が挙手しやすい雰囲気を作り、可能な限り全員が発言できる流れを作っています。まだ2年生ということもあり、子供たちの中には手を挙げることが得意じゃない子が多いですが、一日一回は手を挙げ、発言できるように気を配っています。あとは、休み時間に全員と遊ぶようにしていますね。」と、笑って話す板垣先生。

 

 

 

 

自分の気持ちを伝えることのへのこだわり

上士幌小学校では、子供達の自発性を引き出しながら、児童一人ひとりとのコミュニケーションを大切にして授業に取り組まれています。今後、挑戦したい授業や、子供達と一緒に取り組みたいことはあるのでしょうか?

 

「プレゼンテーションやグループワークなど、複数人に対して自分の意思が伝えられるような機会を多く設けたいですね。私と一対一で会話をすることはできるようになってきたので、次のステップとしては、複数人に対して自分の意思を伝えていくプロセスが体得できるような授業に挑戦してみたいと思います。」と、松川先生。

 

「私が今担当しているクラスは低学年なので、まずは自分の気持ちを表現する力がつくような授業を目指しています。特に話すことが得意じゃない子は書いて伝えるとか、伝え方を工夫することが上手になるといいなと思います。」と、板垣先生。

 

少人数制の利点をうまく活かしながら、子供達一人ひとりとのコミュニケーションづくりを大切にし、積極的に自分の気持ちや意見が伝えられるような授業作りにこだわっている上士幌小学校。実際に担任を持っている先生方も、もしも将来自分の子供ができたら上士幌小学校に通わせたいと思っているそうです。

 

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