みんふる

田舎と都市の人をつなぐ!
働き方を変えるシェアオフィス

2021.02.08

近年、都市部を中心に、観光地などで休暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」(ワーク+バケーション)と呼ばれるスタイルを選ぶ人が増えてきました。そしてコロナ禍の中、ますますその働き方が注目されています。上士幌町では2020年7月にシェアオフィスを開設。どんなふうに活用され、今後どんな可能性があるのか、管理を担当する町企画財政課ICT推進室の辻彩香さんに伺ってみました。

雄大なロケーションが魅力の「ワーケーション」

辻さんは、シェアオフィスオープン後の8月に赴任しました。もともと札幌の出身で、進学のために上京し、デザイン専門学校を経て美術大学でもアート・デザインを学びます。その後、東京郊外のまちづくり会社に就職し、そこでもシェアオフィスの運営に関わっていたそうです。「地元・北海道に貢献したい気持ちがあり、Uターン転職を考えました。上士幌町を選んだのは、シェアオフィスに馴染みがあったことも理由の一つですが、何よりロケーションが素晴らしく、自分自身もリフレッシュできると思ったのがきっかけです」と、町との出会いを話してくれました。

都市と町をつなぐシェアオフィス。基本的には、本社が東京にあり、ワーケーションを目的に来るケースが多く、最近は「ホームページを見てきました」という飛び入りの問い合わせも増えているといいます。コロナ禍の中でリモートワークが推奨され、「パソコンさえあればどこでも仕事ができる」というビジネスパーソンの働き方の一つとして選ばれているようです。

 

シェアオフィスの一番のオススメは、北海道ならではの雄大な景色が窓から一望できることです。ビル街では得られない極上の開放感を与えてくれます。

また、周辺には日本一広い公共牧場であるナイタイ高原牧場をはじめ、ぬかびら源泉郷、旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群などの観光スポットが点在し、休日には少し足を伸ばすだけで、心を癒やす豊かな時間を満喫できるのも大きな魅力です。

シェアオフィスの窓からの景色

パソコンがあればすぐに仕事ができる環境を完備

席が自由に使えるフリースペースの他、スマホ用のワイヤレスチャージャーやコピー複合機、飲食可能なスペースやキッチンも設置しています。落ち着ける個室もあり、一日中ここで過ごす方もいらっしゃいますね。個人でも法人でも利用できて、利用料は1時間500円、1日2,000円、1ヶ月1万2,000円となっています。また年間契約は10万円で最大5名まで利用できるため、法人に好評です。現在、十勝管内を含め、8社の法人からご契約をいただいています」と、シェアオフィスを案内する辻さん。
眺めのよいフリースペースがあり、一角にはプロジェクターを使ったテレビ会議もできるミーティングルームを完備。多様なニーズに対応します。また、電動自転車や電動キックボードを無料で貸し出しており、仕事の合間に外の空気を吸いたくなった時も、気軽に市街地を散策して気分転換ができるのも嬉しいところです。

町ではふるさと納税寄附者への感謝イベント等を通じて、町を応援してくれる「関係人口」を増やしてきました。「そうした人と町のつながりから、どんどん利用者が増えていけばいいなと思います」と辻さん。関係人口との交流から生まれる新たなビジネスの場に、また起業を目指す人のお試しオフィスや企業の福利厚生サービスの一つとしてなど、アイデア次第でさまざまな使い方ができそうです。

新ビジネス創出へ「かみしほろ縁ハンスPROJECT」が始動

早速2020年10月には、新たなビジネスの展開を見据えたプロジェクトがスタートしました。このシェアオフィスを拠点として、町内の生産者や事業者と町外に住む企業・個人をマッチングする「かみしほろ縁ハンスPROJECT」です。
チャレンジしたいことや新たなビジネスを考えた時に、町内の人だけでは課題を解決するのが難しい場合、その思いに共感した都会など町外の人が、自分の技術や知識を持ち寄り、事業を実現していくという取り組みです。町は人と人、職場と職場などをつなぎ、新ビジネスを生み出すために、マッチングから業務契約までサポートします。

2020年10月18日には、事業者の皆さんの生の声を届けるオンラインイベントを実施。50名以上の人が参加し、成功裏に終わりました。早速プロジェクトへの応募もあり、賛同者はこれまで働いてきた中で培ったスキルを、副業や兼業という形で生かしたいと考えているそうで、どんなビジネスが誕生するのか今から楽しみです。

人が集まれば、宿泊施設も必要です。ぬかびら源泉郷の温泉ホテルも人気ですが、町の市街地には宿泊施設が1軒しかなかったことが課題でした。しかし、2021年早々には民泊施設が本格的にオープンし、さらに7月にはシェアオフィスから近いところにビジネスホテルが建つ予定です。職と住の環境が整備されれば、さらに新しい「働き方」が広がっていくのではないでしょうか。
「上士幌町には品質の高い農産物や豊かな観光資源がたくさんあります。これからも町内外の人の縁を結ぶお手伝いをしていきたいですね」と辻さん。近い将来、シェアオフィスをきっかけとして、町の発展へとつながるような新ビジネスが生まれるかもしれません。大きな可能性を秘めながら、町の未来へ向けて歩み出しています。

 

★かみしほろシェアOFFICE
上士幌町字上士幌東3線247-4
TEL 01564-7-7550
営業時間/9:00〜18:00(無休、年末年始は休あり)
mail:info@kamishihoro.work
https://www.kamishihoro.work

 

★かみしほろ縁ハンスPROJECT
https://kamishihoro-enhance.biz

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