みんふる

霜降り肉でも飽きの来ない美味しさ
最高級の「十勝ナイタイ和牛」

2020.08.26

道内のふるさと納税の寄附額で、常に上位をキープしている上士幌町。その秘密は魅力的な返礼品にあります。中でも人気商品の一つとして注目されるのが町のブランド牛「十勝ナイタイ和牛」です。黒毛和牛の肉を特産品にしようと、町をあげて取り組み始めたのが1993年。さまざまな試行錯誤を経て、最高ランクである5等級・4等級の和牛肉の生産に成功しています。極上の美味しさを生み出した経緯や、寄附者への感謝の気持ち、ブランド牛に寄せる期待などについて、JA上士幌町の小椋茂敏代表理事組合長と畜産部畜品課の宇佐美政彦課長にお話を伺いました。

エサにこだわり先人の長年の努力から生まれた黒毛和牛

肉牛の生産は一般的に、母牛に子牛を産ませ、その子牛を育てる「繁殖」と、生後約1年未満の「素牛」をさらに大きく育てる「肥育」に分かれます。十勝ナイタイ和牛は上士幌町で肥育されていることが特徴です。
町では1993年から、黒毛和牛の肥育試験に取り組みました。19年間の歳月をかけて、上質な和牛肉を生産するための「飼料給与マニュアル」を完成させたといいます。

では、「飼料給与マニュアル」とは、いったいどんなものなのでしょうか。
「哺育方法、牛の月齢に合わせたエサの量、病気にならずに美味しいお肉を作るための濃厚飼料の内容など、細かく規定しています。マニュアルができるまで飼料の内容について試行錯誤を重ねましたが、なかなか肉質が向上せずに苦労しました」と宇佐美課長はこれまでの経緯を振り返ります。

生まれてすぐの子牛は、母牛の乳を飲んで育ちます。免疫を高め、正常な発育を促すためにも母乳は大切な栄養源です。成長に伴い、草や穀物をたくさん食べられるようになり、「粗(そ)飼料」と「濃厚飼料」が与えられます。
粗飼料はいわば牛の主食となるもので、町内産の乾牧草や道産稲わら等を厳選して使用。また、主菜(メインのおかず)にあたる濃厚飼料は、牛の能力を十分に発揮できるよう品質の高さにこだわり、きめ細かい脂肪を生み出すために高価なビタミンC等を加えた町独自の飼料メニューを考案しました。

こうして完成した「飼料給与マニュアル」に沿って黒毛和牛を管理することで、今では「十勝ナイタイ和牛」の安定的な生産に成功しているといいます。「先人たちの長年の努力の積み重ねにより、多くの方々に美味しい和牛肉を提供することができるようになりました。現在、年間の肥育頭数は約230頭、出荷頭数は約120頭ですが、将来的にはさらに生産頭数を増やしていきたいと考えています」と、宇佐美課長は今後の展望について語ってくれました。

最高ランクの肉質が認められ、栄誉ある受賞も

肥育に長年取り組んだ結果、町の黒毛和牛の肉質は最高ランクの5等級・4等級の評価を獲得します。2002年からは、5年に一度開催される和牛のオリンピックといわれる「全国和牛能力共進会」に4度連続出場。2007年の第9回「全国和牛能力共進会」では第9区(去勢肥育牛)において、上位5位にあたる優等5席を受賞しました。

この美味しい和牛肉を上士幌町の特産品として広めるために、2009年8月より「十勝ナイタイ和牛」のブランド名で販売をスタート。ネーミングについては、上士幌町の観光も同時にPRしたいという思いから、「日本一の面積を持つ公共牧場」である「ナイタイ高原牧場」から「ナイタイ」を引用しました。「ナイタイ」とはアイヌ語で「奥の深い沢」という意味があり、2012年には正式に商標登録を行っています。

「十勝ナイタイ和牛」は、5等級・4等級のみに与えられる称号です。さらに、十勝産の黒毛和牛であること、上士幌町内で肥育されていることが条件であり、十勝の雄大な風土で健康に育まれ、上士幌町の美味しい水ときれいな空気のもとで肥育されていることも、肉質により良い影響をもたらしているといえそうです。

ふるさと納税の返礼品としてリピートされる人気商品に

「十勝ナイタイ和牛」はステーキ、焼肉、すき焼き、ハンバーグなどで味わえます。ふるさと納税の返礼品として採用されてからは、さらに人気が高まり、「ステーキが美味しい」「また食べたい」など、大きな反響があったといいます。特に、毎年東京で開催されている、ふるさと納税寄附者へ向けた感謝イベント「上士幌まるごと見本市」では、直接喜びの声を聞くことができ、励みになっているそう。「未来へ向けて、多くの方々に和牛肉を堪能していただき、上士幌町が美味しい和牛肉の生産地であることを広く知ってもらいたい」というのが、生産者の願いでもあります。

「『十勝ナイタイ和牛』は、徹底した肥育管理により、霜降り肉のわりにさっぱりとした食感が楽しめるため、リピート率も高いと聞きます。ステーキには、町特産の山わさびをセットにしていて、さらに味が引き立つと好評です。生産者にとって、町のブランド牛を求めてくださる消費者の方の存在は大きく、心から感謝しています」と話す小椋組合長。今後は「より多くのお客様に何度でも召し上がっていただけるように肉質を維持し、安定して提供できるよう心掛けたい」と、さらなるブランド牛の維持・発展を目指します。

「ブランド牛」が人を呼び、町の未来を変える

「この『十勝ナイタイ和牛』をきっかけに町に足を運んでいただき、ナイタイ高原牧場や三国峠など、日本離れした素晴らしい山村風景、小豆や牛乳などの新鮮な食材をふんだんに使った食事、ぬかびら源泉郷の良質な温泉といった、風土と文化にふれてもらえればうれしいと考えています」と宇佐美課長は生産者の思いを代弁します。
また、小椋組合長は「次回の『上士幌まるごと見本市』には、高校生など若い世代にも参加してもらい、皆様とじかにふれあい、ブランド牛を通していろいろな感想・意見を聞いて、町への誇りを感じてほしい」と次世代の育成にも期待を寄せていました。
生産者と消費者の架け橋として、そして町の未来を若い世代につなげるために、ブランド牛が担う役割はますます大きくなっていきそうです。

 

★JA上士幌(上士幌町農業協同組合)
上士幌町字上士幌東2線238番地
TEL 01564-2-2131
http://www.ja-hokkaido.com/kamishihoro/

 

●「十勝ナイタイ和牛」が購入できるサイト
★十勝かみしほろん市場
http://www.kamishihoron-ichiba.com

★片原商店
https://katahara-store.com/

★JAタウン
https://www.ja-town.com/shop/c/c1007

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