上士幌町では、移住や二地域居住を考えている方が納得して移住・定住してもらえるように町の風土や日常生活が体験できる「お試し住宅」を整備しています。
お試し住宅は、一定の条件を満たせばどなたでも入居することができ、最短1週間から最長1年間までご希望の期間で滞在することができます。
知らない町にいざ住もうと思うと不安なことがいっぱいありますよね。移住する前のリアルな生活体験ができる「お試し住宅」の取り組みについてご紹介します。
熱気球の町ならではの景色を楽しめるお試し住宅
今回、ご紹介するお試し住宅「借上生活体験住宅モデルハウス1号棟」は、中心市街地から車で約5分の立地にある一軒家です。
このお試し住宅の魅力は目の前の広がる牧草地帯と美しい山並みが一望できる恵まれたロケーション。
毎年8月に開催される上士幌町の一大イベント「バルーンフェスティバル」のメイン会場が近く、目の前に広がる広々とした芝生は、熱気球タスクフライト(競技飛行)のスタート地点になることがあります。30機以上の色とりどりの熱気球が立ち上がる様子を窓から楽しむこともできます。
体験モニターとして入居したばかりの田中さんと藤井さんにお話をお伺いすることができました。
「大きな窓から見える景色に、さっそく心奪われました。」と藤井さん。
首都圏在住の二人にとって、毎日の暮らしの中でリビングの窓一面に緑が広がる景色を眺める機会もないようで、「まさに北海道にきた~って感じだね!」と、早速北海道を満喫されていました。
二人とも、仕事で2回ほど上士幌町に来たことはあったようなのですが、お試し住宅に入居するのは今回が初めてとのこと。
「もっと簡素な住宅をイメージしていましたが、『広くて綺麗!』と思ったのが率直な感想です。暮らしに必要なものは揃っているので不便なこともなく快適に暮らせそうですね。」と田中さん。
お試し住宅には、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器やガスコンロ、洗濯機、食器類、調理器具といった生活必需品が備え付けられています。
また、入居する前に、移住コンシェルジュから滞在中の注意事項について説明を受けた際、町での過ごし方のアドバイスをしてもらえたことで、滞在がより一層楽しみになったそうです。
「上士幌町の美味しいランチのお店を探していたときに、移住コンシェルジュさんにいくつかオススメのお店を教えていただきました。他にも先輩移住者が集まる交流会のイベントを案内していただいたり、困ったことがあればいつもで気軽に相談してね!と、とても気さくに声をかけていただいたり、とても心強かったです。友人知人がいない初めて住む町で、すぐに知り合いを増やしたり、困った時に気軽に相談できる相手を作ったりするのは難しいことなので、お試し住宅のような企画は具合的に移住を検討し始めた人にはとても魅力的な取り組みだと思います。」と田中さんはおっしゃっていました。
クラウドファンディングにも挑戦し、 お試し住宅の拡充に努めています
上士幌町では移住についてより具体的に、前向きに検討していただくために、仕事、子育て、医療福祉など多面的な支援をしております。特に仕事面では若い世代の方の就労の充実。また、子育て世帯にとって必要な支援施策、高齢者が安心して生活できる医療や福祉のサポートなどに注力しています。
それらの取り組みを町外の方にも知っていただく機会が増えたこともあり、おかげさまでお試し住宅の利用者数も年々増加傾向で、すでに、のべ1,000人以上の方にご利用いただいている現状です。とくに平成28年度には、63組151名の方にご利用いただき、お試し住宅の移住体験者数としては、道内でも3番目に多い数となりました。
今までお試し住宅は9棟ありましたがお申し込みが増えたことで、ご希望のタイミングで入居していただけないという新たな課題が出てきました。
そこで現在は空き家を活用したお試し住宅の改修を率先して進めており、その費用の一部としてふるさと納税でみなさまからお寄せいただいた寄付金を活用させていただいております。
また、平成30年4月から7月までの間、ふるさと納税を活用したクラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング)を活用し、旧教員住宅をお試し住宅としてリノベーションするプロジェクトも立ち上げました。全国へ向けて町の現状をお伝えし、共感いただいた多くの方に応援していただくことができました。
平成30年10月上旬より利用を開始し、お試し住宅は全部で10棟に。
そのおかげで、より多くの入居希望者をご案内することができるようになりました。
これからも、上士幌町への移住を検討していただいている方に、リアルな町の雰囲気や、実際の暮らしをじっくりと体験していただき、上士幌町に移住してみたいなと思っていただけるように心を込めてお試し住宅の整備を進めていきたいと思います。