みんふる

アイデアとチャレンジスピリッツで
農業の可能性を広げる

2019.02.27

 

上士幌町では豊かな自然の恵みを生かした畑作が盛んです。農作物はふるさと納税の返礼品としても人気ですが、上士幌町の農業は様々なアイデアやチャレンジを経て日々進化しています。ふるさと納税の人気返礼品「加藤さんのじゃがいも4種セット」の生産者として上士幌町で農業を営んでいる加藤照夫さんに日頃の取り組みについてお話を伺ってみました。

 

圧倒的な甘みが人気のじゃがいも。

上士幌町で約36,000坪の畑を持ちご両親と3人で農業を営んでいる加藤さん。

最近ではふるさと納税でも人気の一品となっているじゃがいも作りに注力されているとのこと。

現在、加藤さんは『農業用GPSガイダンスシステム』を活用して農作業を行っているそうです。

 

農業用GPSガイダンスシステムとは、言わばトラクタ用のカーナビ。GPSによりトラクタの正確な位置・進行経路がモニターに表示されるため、画面に沿って正確な経路を走行することができます。簡単なタッチパネル操作で作業負担を軽減することができることが特徴です。

 

そのため上士幌町の農家の間で普及・促進が進んでおり、この導入費用に皆さまからお寄せいただいたふるさと納税の一部が活用されております。

 

 

「平成28年に農業用GPSガイダンスシステムを入れたことでトラクタのハンドルを握り続けなくてもまっすぐ進むため、長時間運転をしていても安心して作業ができるようになりました。最近のトラクタは性能が良いので乗用車に近い乗り心地はありますが、農業用GPSガイダンスシステムがあることでさらに快適になりました。ジャガイモの掘り取りもとても楽になり助かっています。」

 

■広大な畑もまっすぐに整地

 

加藤さんの農場では、インカのめざめ、インカルージュ、ヒカル、ホッカイコガネ他、13種類ほどのじゃがいもを作っています。そもそもじゃがいもを作り始めた理由は何かあったのでしょうか。

 

「役場にいた従兄弟の紹介で、秋田県のとあるレストランと契約したのがきっかけだったと思います。その縁で美味しい馬鈴薯を作るようになりました。その後ふるさと納税の返礼品用にも作り始めて、最初の1、2年は少量しか作っていなかったのですが、3年目くらいから、TVで上士幌町のふるさと納税が注目されたり、北海道の馬鈴薯人気もあり、生産量が増えてきました。」

 

■じゃがいもを保管している農業用倉庫

 

今ではふるさと納税の人気の一品になった加藤さんのじゃがいも。加藤さんが作るじゃがいもは一般的なじゃがいものイメージを超えた甘みが人気の理由のようです。

 

「おかげさまで、うちのじゃがいもは甘くて美味しいと言っていただけることが多いです。実際に食べてみると良くわかるのですが、市販されているインカのめざめとは全く甘みが違います。じゃがいもを食べられなかった知人の息子さんが、うちのじゃがいもだけは食べられるようになったと言っていました。こういった話を聞くと本当にありがたい限りです。だからこそ油断することなくやらなければと思います。」と、加藤さん。

 

探究心から生まれた人気スイーツ

美味しいじゃがいもを作るために試行錯誤を繰り返してきた加藤さん。昔から研究熱心なタイプだったようで、子供の頃の夢は、農業を学術的に研究する仕事に就きたかったほど。 今でもその性分は仕事に活かされているのでしょうか?

 

「糖度の高いじゃがいもを作るためにたくさん失敗もしましたが、積極的にチャレンジしてきました。私の馬鈴薯の甘みの出処は、前年の豆の作付けをするところから始まります。耕起した上に堆肥を散布し豆づくりをします。これにはリスクもあり、時にはタネバエにやられる危険性もはらんでいます。最近では新たな取り組みとして糖度の高いじゃがいもを活用した商品開発も始めています。ふるさと納税の返礼品にもなっていますが芋の色を活かしたコロッケもそのひとつです。」

 

「じゃがいもには、白、黄色、ピンク、紫など色がついているので、じゃがいも本来の色を活かしたコロッケを作っています。今年中に新しい商品ができるよう、アイデアを模索中です。さらにその色を活かしたケーキ作りも考えていたのですが、実際に作ってくれるケーキ屋さんがいなくて、現時点では構想段階で止まっています。」と笑って、加藤さん。

 

■各品種の特徴を紹介したチラシも同封しています

 

ケーキ作りがストップしても、他に何か作れるものがないかと考え、地元の牧場と共同開発でアイスクリームに挑戦したようです。

 

「上士幌町の高木牧場さんではすでにアイスクリームを作っていたので、じゃがいもを使ったアイスクリームが作れないかと相談してみたところ快諾してもらい商品開発がスタート。最初は材料を無償で提供してまずは試作づくりに取り組みました。商品化したところすごく反響があって、じゃがいもアイスの入ったセットが昨年ふるさとチョイス菓子部門ランキングで見事一位になりました。」

 

挑戦するための条件が整っている

農家と牧場がタッグを組んでアイスクリームを開発するなど地元の事業者同士のコミュニケーションが活発な上士幌町。加藤さんにとって、何かを挑戦する場としての上士幌町はどのような印象があるのでしょうか。

 

「上士幌町は農作物もあるし、乳製品もあって、とにかく材料が豊富です。私のほかに上士幌町でじゃがいもを作っている農家さんがいるのですが、その人は何種類もの豆も作っていているので、若者層をターゲットとした豆商品を検討してみては?瓶に詰めて可愛いパッケージにすると人気が出るのでは?と具体的にアドバイスをすることもあります。」

 

「上士幌町って挑戦するための条件が揃っています。特に心強いのは、販路が用意されること。何か商品を開発したら役場の方が紹介してくれたり、ふるさと納税の返礼品として検討してくれたり。とても積極的に役場がバックアップしてくれるので、それは大きな武器になっていると思います。」

 

販路があると、何か新しいことにチャレンジしてみよう!という気持ちになりやすい。と加藤さん。生産者と役場が密にコミュニケーションを図りながら、これからも上士幌町の新しい特産品を全国へ発信していきたいと思います。

 

 

※本記事で紹介している返礼品は生産等の都合によりご提供していない場合がございます

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